Biomolecule Toolkit

HELMでバイオ分子の完全なハンドリングを実現

製品カテゴリ

バイオモダリティー創薬 / 開発ツールキット 

  • Biomolecule Toolkitは、ADCやペプチドといった複雑なバイオ分子の取扱いにおいて、化学的情報と生物学的情報を隔てるギャップを橋渡しするHELMベースのウエブサービスベースのツールです。
    HELMは主要製薬企業とベンダーで構成されるPistoia Allianceでオープン化された、生体高分子の記述言語で、非天然あるいは化学的に修飾されたコンポーネントを含む特殊ペプチド、オリゴヌクレオチド、タンパク質、抗体薬物複合体などの多様なバイオ分子において、シーケンスや原子レベルであいまいさの無い明確な表現を可能にします。これにより、的確なバイオ分子の格納、索引付け、データベース内検索を可能にします。
    本ツールは、既存のバイオロジックス管理プラットフォームを拡張したり、バイオ分子登録システムの基盤としてご利用になれ、お客様独自のワークフローやビジネスロジックに合わせて、バイオ分子の正規化、登録、検索機能などを利用できます。

    利用例

    ペプチドベースの治療薬

    ほとんどの天然のペプチド配列は、投与後急速に分解・除去されます。そのため多くの場合、劣化防止や腎クリアランスを減らすことを目的にシークエンスを化学的に修飾することが試みられます。このような場合に置いてもBiomolecule toolkitを用いると直鎖及び環状ペプチドのあいまいさの無い明確な表現と登録がHELM表現により可能になります。天然のみならず、合成アミノ酸、化学修飾、複合体においても、本ツールキットは検索可能なペプチドカタログを維持します。さらに、我々は現在フォーカスドバーチャルペプチドライブラリーを作成するツールを提供するべく取り組んでいます。ライブラリーの作成は、与えられたリードシーケンスにおいて、ターゲット残基を天然若しくは非天然アミノ酸の置換により列挙し、続いて構造の多様性を迅速に拡張するのを支援する目的で、プロパティーベースのフィルタリング行うことを想定しています。

    抗体および抗体-薬物複合体

    さまざまな抗体および抗体-薬物複合体の表記法は現在も存在しますが、ほとんどの場合、それらは原子レベルで正確に記述することができていません。これらの分子実体のユニークな表現は、追加の数値またはテキストによる分子全体あるいはその一部に関する注釈の組み合わせによってのみ実現されているのが実状です。典型的には、属性と値のペアが良く用いられます。(例:ADRにおける抗体/薬物比)、加えて、抗体配列等の明確な構造要素やペイロードの結合部位などのあいまい構造要素などから構成されます。
    Biomolecule toolkitには、データベースにユニークなバイオ分子を登録・検索するためのビジネスロジックを定義する際に使用する、定義・格納・アノテーションクエリの機能レイヤーがあります。

    RNAiベースの治療薬

    アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびsiRNAは、それらの相補的RNA基質配列にハイブリダイズする短い核酸(12-22残基)です。フリー基質濃度をエフェクター濃度閾値以下に低下させたり、形成されたRNA / DNA二重鎖のリボヌクレアーゼH1分解を誘導することによって、基質を不活性化します。
    ペプチドとしてのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、迅速に分解する傾向がありますが、それには核酸の主鎖に化学修飾を組み込むことによって対処できることが知られています(例:リボースコンポーネントの2 ‘位におけるメトキシエチル化)。
    Biomolecule toolkitを使用すれば、そういった化学的に修飾されたオリゴヌクレオチドのエントリーを簡単に作成、格納し、標準的な形でインデックスを作成することができます。 RNA候補分子のシークエンスに基づく評価は、分子の化学的特徴を維持したまま、お好みのバイオインフォマティクスツール上で行っていただくことができます。

    柔軟な登録

    Biomolecule toolkitは、複雑な生体分子およびその関連データのハンドリングと登録のためのアプリケーションを容易に構築できる既成の機能モジュールを提供します。最近のシステムの流れは、従来の低分子と生物製剤を統合した、治療薬候補エンティティ管理の単一の窓口として機能する包括的で柔軟なシステムに向かいつつあります。このような 登録ソリューションを実現する為に必要となる主要コンポーネントは、その登録時に提出された形式(例えば、シーケンスあるいは構造式)は問わず、それらを「解釈」する認識エンジンであり、かつそれを内部ビジネス ロジックを介して登録データベースにフィードする能力を有します。また、異なる表現形式の間をシームレスに行き来する能力を必要とします。

    アーキテクチャー

    Biomolecule toolkit は、Web Service API フレームワーク内でJChem-likeな機能を提供し、従来のケムインフォマティクス/バイオインフォマティックスのツールでは扱いが難しかった複雑なバイオ分子もハンドリングできるようにします。既存のITインフラ内で、簡便かつフレキシブルに展開していただけるよう、SOAPとREST-ful APIに対応しています。

    バイオ分子とその関連データは、JChem table内のあらゆる成分(たとえばアミノ酸など)の化学構造と共に、リレーショナルデータベース内に保持されます。Web Service APIを用いて、データベースへアクセスすれば、新しい分子の登録、既存の分子の情報更新、古くなったコンテンツの削除などを行うことができます。

    検索サービスでは、登録データベースに対して、複雑なクエリの作成を可能にします。該当分子を逃さず特定するために、シークエンスフィルター(例:サブシークエンス検索)と化学構造フィルター(例:部分構造検索)の組合せによるクエリをサポートしています。

    バイオ分子の物性計算や、主なファイル形式の相互変換(例:HELM, FASTA, MDL Mol v3000)を行う機能を追加することもできます。

    関連動画ライブラリ

    • Extending JChem to biomolecules
    • What about the “big guys”? The emerging HELM standard for macromolecular representation and the Pistoia Alliance

     

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