創薬プロジェクト全般にわたって、薬物動態と毒性パラメータの最適化は重要な目標となります。hERGカリウムイオン受容体は心臓の正常な電気的活動に寄与していますが、薬物などの異物から干渉されることにより、QT延長症候群や不整脈が引き起こされます。最悪の場合、発現した心毒性により生命が脅かされる事態となります。したがって、候補化合物のスクリーニングや構造最適化により、hERG阻害を起こし得る化合物を早期に検出することが重要になります。
本セミナーでは、hERG阻害能を予測する回帰モデルの開発と化合物デザインプラットフォームでの利用事例が紹介されました。 ご希望の方に録画版をご案内しておりますので是非下記「hERGお問い合わせ」ボタンよりお申込み下さい。
ChemAxon社の新しいADMETプラグイングループでは、機械学習の手法をキュレーションされたデータセットに適用し、信頼性の高い予測モデルを作成しています。トレーニング済みモデルを用いてhERG阻害を予測することにより、候補化合物に対する心毒性リスクを評価できます。セミナーでは、hERG阻害能を予測する回帰モデルの開発と、用いた評価データについて説明します。また、推定誤差、適用可能性ドメイン、トレーニング化合物中の類似構造の可視化など、予測結果を詳しく見るためにアプリケーションに必要とされる機能についても説明します。
創薬プロセスでは、設計した化合物のADMETパラメータを最適化し、単一のターゲットタンパク質(人体に存在する約2万個のタンパク質の内)と効果的に相互作用する化合物を探し出す必要があります。複雑な要素を考慮し、最終的には候補化合物のパラメータがターゲット化合物のプロファイルを満たすようにバランスを取る必要があります。したがって、設計の際に用いるツールは、必要な全ての情報が効果的に収集されたシステムに統合されている必要があります。
本セミナーでは、hERG阻害能予測プラグインを創薬プラットフォーム(Design Hub)と統合させて説明いたします。Design Hubはデータベース検索、物理化学特性の予測、計算モデル、プロジェクトパイプラインなどのツールを統合した創薬プラットフォームです。創薬プロジェクトにおけるオンライン上のコラボレーションを実現し、化合物セットのデータ共有や優先順位付けを通じてプロジェクトメンバー間の意思決定をサポートします。