この度、パトコアでは下記の通りCBI学会2026年大会において、ランチョンセミナーの開催とブース展示を致します。
是非ともお越しいただき、創薬技術のアップデートにお役立て頂ければ幸いです。
近年、ライフサイエンス分野では、マルチオミクスデータや臨床データ、化学反応データなど、研究開発で活用可能なデータが飛躍的に増加しています。一方で、それらの膨大かつ複雑な情報から有用な知見を導き出し、研究開発の意思決定につなげることは、ますます困難になっています。こうした課題に対し、AIやインシリコ技術は、従来の経験や勘に依存していた研究プロセスをデータ駆動型へと変革する重要な基盤として注目を集めています。
本セッションでは、創薬研究の異なる領域における最新のAI・インシリコ活用事例をご紹介いたします。
第一講演では、臨床データとマルチオミクスデータを統合したインシリコ解析により、バイオマーカー探索、患者層別化、さらには既存治療薬の適応拡大を支援する最新アプローチをご紹介します。データから生物学的知見を導き出し、精密医療の実現に貢献する取り組みについてご紹介します。
第二講演では、大規模化学データと深層学習を活用した合成ルート設計プラットフォーム「ChemAIRS」を取り上げます。AIによる合成ルート提案に加え、不純物予測や反応条件推奨など、化学研究における意思決定を支援する最新技術についてご紹介します。
バイオロジーとケミストリー、それぞれの領域で進化を続けるAI・インシリコ技術の最前線を通じて、創薬研究のさらなる高度化と効率化の可能性について考察する機会となれば幸いです。
開催概要
●ランチョンセミナー
日時: 2026年10月29日(木) 12:00-13:00
場所: タワーホール船橋 2階「福寿」
セッション番号: LS09
定員:80名
申込方法:CBI学会2026年大会 公式ホームページより参加登録下さい。
リンク https://cbi-society.org/taikai/taikai26/registration.html
●展示ブース
日時: 2026年10月27日(火)~2026年10月29日(木) 10:00-18:00(最終日のみ15:30まで)
場所: タワーホール船橋 1階 ポスター/企業展示会場
ブース番号:4
ランチョンセミナー要旨
【1】適用範囲の拡大:バイオマーカーに基づく患者層別化および適応拡大のための統合的なインシリコアプローチ
講演者:Uzma Saeed, Ph.D. , Director, Head of Biology, Excelra Knowledge Solutions Pvt. Ltd.

がん生物学の複雑化が進み、臨床データやマルチオミクスデータの利用可能性が拡大していることで、患者の層別化を精緻化し、既存の治療法の治療的可能性を拡大する新たな機会が生まれています。しかし、この可能性を実現するには、生物学的妥当性を維持しつつ、多様なデータセットを統合できる計算機的なアプローチが必要となります。本研究では、体系的なキュレーション、調和化、品質管理、およびデータ統合を通じて、異種なマルチモーダルデータセットを標準化され、分析可能なリソースへと変換する統合的なインシリコ・フレームワークを提案し、下流の解析に向けた信頼性の高い基盤を提供します。
その後、機械学習および統計的手法を適用し、治療反応や臨床転帰に関連する予測・予後バイオマーカーシグネチャを同定します。これらのシグネチャにより、生物学的に解釈可能な患者層別化が可能となり、治療反応が期待される患者とそうでない患者を区別できるほか、治療反応や耐性の根底にある分子メカニズムに関する知見が得られます。
特定の疾患適応症において検証されたバイオマーカーは、その後、類似した分子的特徴を持つ他の疾患においても評価され、既存の治療法から恩恵を受け得るさらなる患者集団を特定するための、エビデンスに基づく戦略を提供します。標的の同定、インシリコによる撹乱研究、ドラッグリパーパシング評価などの補完的な解析により、これらの知見はメカニズムの文脈にさらに位置づけられ、検証可能な治療仮説の構築が支援されます。
データ駆動型のバイオマーカー発見と生物学的解釈を統合することで、このフレームワークは患者の層別化と適応拡大に向けた体系的なアプローチを提供し、より情報に基づいた治療上の意思決定を支援するとともに、多様な疾患状況における精密腫瘍学の応用を推進します。
【2】AI × ケミストリーで加速する分子合成 ― 合成ルート設計プラットフォーム ChemAIRS
講演者:Hongbin Yang , Ph.D. Scientist, Chemical.AI

合成ルート設計は、分子研究開発における長年のボトルネックの一つです。従来のルート検討は個々の化学者の経験に大きく依存しており、その結果、検討されるルートの多様性が限られ、開発サイクルの長期化や実験コストの増大につながることが少なくありません。
創薬・材料研究において分子の高速な検討サイクルが求められる今日、この課題はますます深刻になっています。
本セミナーでは、大規模化学データマイニングと深層学習を統合したインテリジェント合成設計プラットフォーム「ChemAIRS」をご紹介します。
ChemAIRSは、多様かつ実施可能な合成ルートを数分で提案するだけでなく、反応不純物予測、プロセス最適化、反応条件推奨も備えています。これにより、メディシナルケミストリーとプロセスケミストリーの両領域における合成設計と意思決定を一気通貫で支援します。
さらに近年では、大規模言語モデル(LLM)をChemAIRSに統合した新たなフレームワークを開発し、ルート設計および不純物予測の精度向上に加え、予測結果の解釈性向上も実現しています。ChemAIRSは、合成設計における個人の経験への依存を低減し、合成効率を高めることで、分子のアイデアから実用化までの道のりを加速させます。
本講演を通じて、現代の合成化学研究のためのデジタル・インテリジェント基盤としての可能性をお伝えできれば幸いです。
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